我慢汁(カウパー腺液)について解説!妊娠するって本当?精液との違いは?
我慢汁(カウパー腺液)とは?
我慢汁とは、男性が性的に興奮しているときに尿道から分泌される、無色透明でヌルヌルした、弱アルカリ性の液体のことです。快感を我慢しているときに出ることに由来する俗称で、精子よりも先に出ることから「先走り汁」と呼ばれることもあります。
我慢汁の正式な名称は、「尿道球腺液(にょうどうきゅうせんえき)」「カウパー腺液」などです。「尿道球腺(カウパー腺)」は、エンドウ豆ぐらいの大きさで、陰茎の根元辺りに2つあります。
我慢汁の成分は尿とほとんど同じものですが、臭いはほとんどありません。
我慢汁(カウパー腺液)の3つの役割
我慢汁の役割は、主に精液が子宮に届くのを助けること。細かく分けると、3つの要素があります。
- 挿入時の潤滑剤
- 尿道内をコーティングし、射精をスムーズにする
- 酸性の膣内を中和し、精子を保護する
我慢汁(カウパー腺液)が出るタイミング
我慢汁が分泌されるのは、性的に興奮したときです。男性の性的興奮は、
- 男性器が勃起する
- 我慢汁が出る
- 射精する
の3段階に分かれており、通常勃起した状態のペニスから我慢汁が出てきます。
分泌量には個人差がありますが、興奮度合いや興奮の持続時間に比例する傾向にあります。一度に出る量は1cc程度と少量で、尿や精液、または女性の潮のように、勢い良く出る訳ではありません。
男性本人の感覚としても、我慢汁が「出ている」という感覚はあまりありません。この感覚は、女性で言うと、愛液が出ているときと似ています。
我慢汁と精液(精子)との違いとは?
我慢汁と精液(精子)は、全く違う体液です。具体的にどのような違いがあるのか、詳しい特徴を解説します。
違い(1)成分
精液(精子)の役割は、女性を妊娠させることです。精子は、男性の遺伝情報を持った生殖細胞で、精巣で作られています。精液は、タンパク質を主成分とし、精子自身のエネルギー源として果糖が含まれています。
一方、我慢汁の役割は、精子の活動をサポートすること。精巣ではなく、尿道球腺(カウパー腺)で作られる液体です。
我慢汁の成分は尿とほぼ同じで、尿素や尿酸、クレアチンなどが含まれています。さらに、納豆や山芋などにも含まれるタンパク質「ムチン」が含まれ、これが我慢汁独特のヌルヌル感を作り出しています。
違い(2)色や粘度
精液は、白またはやや黄色がかった、ネバネバとした液体です。一方、我慢汁は無色透明で、ヌルヌルしています。一般的には、精液よりも我慢汁のほうが、粘度が低めでサラサラしています。
違い(3)味やニオイ
精液には、タンパク質の他に果糖などが含まれているため、甘みや苦みなどが混じった複雑な味がします。特有の生臭さがあり、よく「イカ臭い」などと表現されます。一般的に、「美味しい」と言えるようなものではありません。
我慢汁は、汗と同じように多少の塩分が含まれていることから、しょっぱい味がします。しかし、塩気以外に強い味や臭いなどはありません。オーラルセックスをしているとき、射精前に塩気を感じることがあるのは、我慢汁が分泌されているためです。
我慢汁にも精子が入っている!妊娠の可能性に注意
セックスのときに男性器から我慢汁が出るのは、ごく自然で本来必要な現象です。しかし、我慢汁に関して特に気を付けたいのは、「我慢汁で妊娠する恐れがある」ということです。
我慢汁には精子が含まれている
実は、我慢汁にもごく少量の精子が含まれています。つまり、射精していなくても、我慢汁が膣に入ると妊娠する恐れがあるということです。
膣内で射精するときと比較すれば、妊娠する確率は低いでしょう。しかし、完全に安全という訳ではありません。
我慢汁で妊娠する主な例
我慢汁によって妊娠する可能性が一番高いのは、コンドームやピルなどで避妊せず、射精する瞬間にペニスを膣から引き抜く「膣外射精」です。避妊方法として認識している人も少なくありませんが、我慢汁に含まれるごく少量の精子によって妊娠する可能性があります。
その他にも、膣外射精より事例は少ないものの、
- 我慢汁がついた手やラブグッズが膣に触れる
- 素股やマンズリ
などの行為も、妊娠の可能性はゼロではありません。
望まない妊娠を避けるためには
望まない妊娠をしてしまったとき、肉体的にも精神的にもより大きな負担がかかるのは女性側です。妊娠のリスクを避けるためには、精液だけでなく、我慢汁も膣に入り込まないようにする必要があります。
膣外射精やコンドームなしでの素股を避けるのは当然ですが、手やラブグッズに付着した我慢汁でも妊娠の恐れがあると考えると、それだけでは不十分。確実に妊娠を避けるためには、勃起した段階で、すぐにコンドームを装着することが望ましいです。
ただし、一般的にあまり認知されている方法ではない上に、ペニスが萎えるたびにコンドームをつけ直す必要があり、煩わしさを感じる方もいるでしょう。
女性側が妊娠のリスクやコンドームの重要性を伝え、彼をリードすることが重要です。そこでおすすめなのが、女性自身がコンドームのつけ方を覚えて、コンドームをつけてあげること。プレイの一環としても楽しめ、ムードを壊すことなく、望まない妊娠のリスクを下げることができますよ。
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我慢汁はセックスに必要!妊娠のリスクに気をつけよう
我慢汁(カウパー腺液)には、挿入や妊娠をサポートするという、生物として重要な役割があります。男性の興奮度合いを示すバロメーターとしても捉えられます。
我慢汁自体は自然に分泌するもので、触れても基本的には問題ありませんが、妊娠の可能性には十分注意が必要です。
大切なのは、確実な避妊方法を取ること。正しい知識を身につけ実践することで、望まない妊娠を避け、安心して充実した性生活を送れるようになるでしょう。